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いよいよ上高地開山祭です


2018年04月26日

4月。カレンダーをめくると、特別な印をつけてしまいたくなる日が現れる。27日。
上高地開山祭の日だ。毎年の恒例行事。上高地にとってはお正月も同然、春の到来だ。
これからまたお客様とお会いできる日々が始まる。そう思うとうれしくて、おもてなしの準備をする慌ただしささえ楽しくなる。

前夜。星空から、明日は晴れるだろうと期待が膨らむ。いよいよだ。上高地を愛する人たちで賑わう開山祭。

早朝、小梨平に立つ。仰ぐ穂高の山々に陽が差し始める。貴重な瞬間。モルゲンロートが現れた! 刻々と淡い薔薇色が広がっていく。雪山が一層美しく映える。およそ四ヶ月の冬(とき)を経て目にするこの光景には、毎年、心動かされる。目を凝らし、息を詰めていたことにふと気づき、大きく深呼吸。冷たくて、鼻の奥がツンとする。この感じがいい。そして、目の前に連なる山々は、どんどん明るくなっていく。素晴らしい上高地の開山祭が約束された!

 

続々と人が集まる。押し寄せる人波。河童橋に集う山の友は皆、顔を紅潮させ、寒さを感じさせない。気温は0℃。橋にはうっすらと霜が降りて白く見える。吐く息も白い。それでも高揚した気持ちが上回り、ここに帰ってこられたうれしさに顔がほころぶ。旧知の友との再会もあり、賑やかな会話で溢れる橋の袂。

人々の視線が集まる先、静寂の刹那、開幕! 第一声はアルプホルンのファンファーレ。雪をまとう美しい穂高連峰を背に、さわやかに響き渡る。なんという清々しさ。上高地の目覚めを告げる音色が、この日を待ちわびた我らの心も目覚めさせる。おはよう。おかえり。今年もよろしく。たまらなく心が弾む。あぁ、今年も始まる!

安全祈願の神事。厳かに、粛々と。そして勇壮な獅子舞。続く太鼓や地元旧安曇村の盆踊りの披露で、お祭り気分は最高潮。演者もギャラリーも皆、満面の笑みをたたえて次の催しへと移っていく。行き先は、温かい料理が用意された宴の会場。山の恵みに感謝しつつ舌鼓を打つ、団らんのひと時。お客様には、一新したレストランでお寛ぎいただきたい。

今年の開山祭は、記念すべき第50回。半世紀の節目を刻む。上高地を世に知らしめたウェストンの山行きからは110年余り。だが、それ以上の膨大な時の流れを生息し続けてきた上高地。その大自然の営みに、心から感謝したい、労いたい。そして、これから始まる何十年、何百年、否、未来の彼方にまで思いを馳せる時、上高地には美しいままの姿であってほしいと願わずにはいられない。変わらず、心癒される地であってほしいと。

朝の冷え込みも、日差しを受けるとすっかり春の陽気に包まれる。気持ちのよい散策を。河童橋からは、自由自在に歩き出せる。清らかな水を湛える梓川。右岸を遡ればしっとりとした岳沢湿原。密やかな空気を醸す明神池。下れば田代池に大正池。雪解けの水に触れれば、想像以上の冷たさに悲鳴を上げるかもしれない。目には鮮やかな色がとびこむ。山を包む、名残の雪の眩しい白。抜けるような空の青、芽吹き始めた木々のやさしい緑。輝く水面は金色だ。もうじき花を咲かせるであろう蕾を見つけた時の、無邪気な驚きと喜びも。そんな楽しみを携えて、歩く。ただそれだけで、生き返る。上高地は生命(いのち)の泉だ。

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